未完成な、余りにも退廃的な

色んなジャンルにおいてのライト層的な立位置にいる人間なので、五月蝿く言われると沈んでしまいます

L'Arc~en~Ciel / Tierra

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このアルバムはもう10年以上聴き続けている。
俺がL'Arc~en~Cielにハマったきっかけになった楽曲「Blurry Eyes」が収録されている本作品はメジャーデビュー後最初にリリースされた。
ラルクの醍醐味である、全員作曲はこの頃から始まった。
ジャパメタやゴスに影響されて製作されたと思われる前作「DUNE」とは打って違って本作品は様々なアクセントが組み込まれている。
例えば、
・フランクザッパの影響下にあるポップスバンドが作ったかの様な「Inner Core」
ボサノヴァサウンドで幕を上げるがサビに入りいきなり激しさが増す「眠りによせて」
・デモ音源からガラリと構成を変え、アコースティックギターがラテンを醸し出すバラード「Wind of gold」
・現実との葛藤を描いた、演奏時間最長の傑作「White Feathers」
等実験要素が強い。
またアルバムのプロモーションにおいては、楽曲のMVや短編ストーリーが3ヶ月において特別番組内で公開された。
この視覚的にも聴覚的にも刺激が強いアルバムだが、俺はこのアルバムは一つの物語だと思っている。
このアルバムタイトルの意味は大地で、空から見た大地をイメージしたとHydeは語っている。
歌詞に関してはは別れを惜しみ、現実逃避を仄めかす様な歌詞が多く見られ、大地での生活に愛想尽きてしまったかの様な無機質な印象を、爽やかなメロディーと比較して感じた。
特に最後の曲「White Feathers」が物語の最大の鍵になっていると感じている。
主人公はその地での死別した恋人への愛や価値観に疲れ果て、空への憧れが強くなり遂には空中遊泳を試みるが、羽根は生えることなく墜落。またこの地を踏みしめ、空に憧れを抱いたまま生命を終えなければない。という結末を描いていると考えた。
前述した特別番組においても30秒程のWhite Feathersの後日談のようなセリフが放映されたが、このセリフがTierraの物語に終止符を打つ役目をしていると聴いた際思った。
下にある物がそのセリフの一部
「全ての物の上にある空は、どこまでも遠くに見えているけれど、貴女が少し手を伸ばした先は空の一部。だとすれば、枯れてしまった草花は天に届いているのかもしれない。輝かしい春はもうそこまで来ていて、新しい生命は空へ迎えようとしている。」

このアルバムの世界観は直に出てくる白系というビジュアル系ジャンルに多大な影響を与えている。
俺が白系の儚い楽曲気に入っているのもこのアルバムのおかげなのかもしれない。

アルバムレビューって疲れるね、語りたいこと頭に浮かんでも駄文にしか出来ない。もっと語彙力鍛えなくちゃなあ、ほんとに。